透析の流れ

透析の流れをご説明させていただきます。

STEP 1 早く病気を見つけるには検査が必要


腎臓はいったん悪くなると自然には治りにくいため、進行する前に早く病気を見つけることが大切です。
自覚症状だけでなく、尿や血圧などの定期的な検査が早期発見につながります。

健康診断

実際、腎臓病患者のうち70%以上の方が健康診断をきっかけにして病気を見つけることができました。

グラフ

とくに尿たんぱくが出ている方は要注意です。将来、腎機能が悪くなり透析療法にまで移行していくことがあります。
担当医師に尿たんぱく量を測定してもらってください。
尿たんぱく量の多い方が治療の対象となります。このような方には腎生検という腎臓の組織を一部採取して治療方針を決めます。
通常、腎機能が正常な方なら根本的な治療が可能ですので、この検査の対象となります。

STEP 2 腎臓の働きが低下する腎不全


なんらかの原因で腎臓のはたらきが悪くなり、体内の老廃物が排出できなくなる状態を 「 腎不全 」 といいます。
短期間で急激に発症することもありますが、多くは、長い時間をかけてゆっくりと進行します。
自覚症状が少ないため、 「 慢性腎不全 」 と診断されてはじめて気づくことも少なくありません。

慢性腎不全

数か月から数年という長い期間をかけて、腎臓の機能が少しずつ低下して起こる状態です。
いったん慢性腎不全になると、悪くなった腎臓の機能は回復しません。
症状には脱力感や疲れやすさ、嘔吐、皮膚のかゆみ、頭が重いなどがあります。

保存期腎不全

慢性腎不全の状態でも、透析療法を開始するまでを 「 保存期腎不全 」 といいます。
透析を必要とするほどは悪くなっていない状態です。
いったん悪くなってしまった腎臓の機能は戻りません。
でも、この時期では残っている腎臓のはたらきを大事に維持することで、透析をはじめる時期を遅らせることができます。

STEP 3 腎臓の働きと検査


ステージ
1
ステージ1
2
ステージ2
3
ステージ3
4
ステージ4
5
ステージ5
GFR
(糸球体ろ過量)
≧90
60〜89
30〜59
15〜29
<15
腎機能
障害は見られるが、GFRは正常、または亢進
軽度に低下
中等度に低下
高度に低下
腎不全
体の状態
 
たんぱく尿や血尿が出る
貧血、高血圧など合併症がみられる
尿毒症など自覚症状がみられる
透析や移植が必要
治療法
CKDの進行を遅らせ、危険因子を軽減させる
専門医、栄養士のもとでの食事療法、薬物療法の開始
1日のたんぱく質
摂取量の目安
0.8〜1.0g/kg/日
0.8〜1.0g/kg/日
0.6〜1.0g/kg/日
0.6〜0.8g/kg/日
0.6〜0.8g/kg/日

STEP 4 腎不全が進行したら必要になる 「 透析療法 」


機能が悪くなった腎臓に代わり、医療器具や自分の腹膜を用いて血液をろ過するのが 「 透析療法 」 です。
腎臓のはたらきを代替するもので、腎臓を元通りに治すものではありません。
しかし、この透析療法を用いる事により、通常に近い状態で生活する事が可能となりました。

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